恋めぐり
掃除ではなく整備を私は始めてしまった。

石を整然と並べて、雑草を取る。

その向かい側にはプランターを持って来て、真っ直ぐに並べた。

春になったらここに花を植えよう。

いや。どうせ誰も気にもとめないなら、ハーブでも植えてポプリでも作ろうかな?

ならバラを植えないと。

どのバラが良いかな。

そんなことを考えているうちに外はすっかり暗くなり、冷えて来ていた。

私はそのことを気にも止めず、作業を続けていた。

「お前!何してんだ!」

土方くんが息をきらせて走って来た。

「鞄が残ってたからまさかと思えば、今何時だと思ってんだよ」

「ケータイ鞄だからわかんない」

「7時過ぎてんだよ!この真冬にブレザーまで脱いで…。帰るぞ」

土方くんの怒ってる顔しか見ていない。

考えていると、腕を捕まれた。
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