恋めぐり
オウリがデッキブラシを肩に担いでいた。

「お前、奴らの味方か」

「どっちの味方でもない。店をめちゃくちゃにした奴が私の敵さね」

オウリはそういうと、デッキブラシを振り上げて、カインの頭に振り下ろした。

彼が倒れる様を見る前にオウリは走り出していた。

客の男、入ってきた男を次々薙ぎ倒して行く。

「壊した物は弁償してもらうからね!」

ものの数分で、店の中は静かになった。

「ちぇっ、高官の癖にしけてるねぇ。これじゃあ私の分け前ないじゃん。あんたらも、軍属のわりにたいして持ってないね。役立たず共が」
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