恋めぐり
「調書を取りに明日くる!」

カインはオウリを睨みつけると、拘束した高官と部下を連れて帰って行った。

「明日ねぇ〜」

オウリはカウンターのイスに座って、壊れた入口を見つめた。

「軍属だったとわね。どうりで血の臭いがすると思った」

カウンターに置かれたままのブランデーを一気に煽った。

「オウリ、大丈夫かい?」

「うん、多分。軍属だって分かった途端、あいつのこと気に食わなくなっただけ」

「そうかい」

「幾つになっても弱いままの自分が嫌になる」

「それが人間ってものさ」
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