きみのて
「失礼しま~す……」




「あら、奏美ちゃん…どうしたの?何かあった?」




先生があんまり優しくしてくれるもんだから、




せっかく止まっていた涙がまた溢れ出してきた。




先生に、今朝の出来事もあたしの気持ちも、全部話した。




あたし…多分、校内で一番保健室常連だと思う(笑)。




昼休憩も放課後も、毎日のように通っては、




親の愚痴とか勉強の相談とか、




話しだすと止まらなくて……






「ありがとうございました…」




もらった保冷剤をハンカチにつつんで握りしめていた。




「また、泣きたくなったらおいで」




思わず、また泣きそうになっちゃった。
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