極 彩 グ レ - ス ケ - ル

あたしは男の人が苦手だ。
というか、人が苦手だ。

自分の病に対する好奇の目や
見掛けだけで近づいてきて
病のことを知って離れる男。
こきおろしに利用する女。
気をつかって遠巻きに見ている
大人。何も知らないこどもたち。
嫌いだ。

目の前にいるこの人が、
それらの人間と違うという
保証はない。 でも。

何か、違う気がした。

この人は、なにか。


気がつけばあたしは、

「何がいいですか?」と聞いていた。
< 11 / 117 >

この作品をシェア

pagetop