極 彩 グ レ - ス ケ - ル

戸棚から、マグカップと
角砂糖、そしてアルミの灰皿
を取り出してあたしの前の
机に置いた。ポケットから
くしゃくしゃの煙草を取り出す。
ここは高校だ。
あたしの目線に、悪戯っぽく
微笑み、内緒ね、と彼は言った。

ビーカーの中の水がコポコポと
沸きだした。
ふっと目線を横にやると、
額に入った写真が目に入った。

立ち上がって、その前に行く。

桜の木を下から撮った写真だ。
きっと、カラー写真なのだろうが
あたしにはモノクロにしか見えない。
少し残念に思ったが、それでも
息をのむほど綺麗な写真だった。
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