極 彩 グ レ - ス ケ - ル
女子更衣室から聞こえる
クラスメイトの会話をドアの外で
聞きながら掃除用具を手に
立っていた。
早く掃除して帰りたいのに。
それにしても、なんでこう
女っていうのは噂と男の話
が好きな生き物なのだろうか。
話しているのはもしかしなくても
あたしのことだった。
この手のことを言われるのには
とうに慣れていた。でも何度
聞いても嫉妬と同情の対象に
されるのは気分がよくない。
ドアを開くと、それまでの
会話をピタリとやめて
クラスメイト二人はあたしを
見た。片方なんて完全に目が
泳ぎはじめている。
ああもう、こっちが見てて
心苦しくなる。
無視して掃除を始めると、
荷物をかき集めてそそくさと
更衣室を出て行ってしまった。