極 彩 グ レ - ス ケ - ル

「ネオは?」

あたしが尋ねると、
ネオは少し考えて言った。

「今は美しいとは思っていない。
でも、可能性はあると思う」

「可能性?」

「うん。いつか、美しく思える
かもしれない。いつか、美しく
思えたらいい。そんなふうに
思ってるから、写真を撮るのかも。
少しでも心が動かされるものを
収めておきたいと思ってるんだ」

「だから、ネオの写真はきれい
なのかな。ネオのカラー写真も
いつかちゃんと見てみたいな。
ネオの写真を見て、久しぶりに
ちゃんと見えたらいいのにって
思えた気がする。久しぶりに、
綺麗だと思えるものに会えた気がする」

「ありがとう。色にもできるだけ
いいなって思ってもらえるような
写真を撮れるように頑張るわ」

「ネオは好きな物を好きなように
撮ってよ。あたし、ネオの写真
好きだから。見えるうちに沢山
きれいだなぁ、って思いたい」
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