極 彩 グ レ - ス ケ - ル
「ねぇネオ」
「なぁに?」
「ネオは彼女とかいるの?」
「何?気になっちゃう?」
「そんなんじゃないよ。でも
ネオは顔が綺麗だし、写真で
もすごいしモテるのかなって」
「うーん…」
ネオは少し考えて、言った。
「モテない事も、ないよ」
「やっぱりそうだよね」
「でも」
「でも?」
「彼女たちが好きなのは、
この顔をもった男、だとか
写真の才能のある男、であって
おれ自身のことを好きな訳じゃ
ないんだよ。っていうか、彼女
とかもいたことないからさ」
「そうなんだ…」
「色は?彼氏はいないの?」
「いるわけないよ」
「どうして?」
「誰もこんな目で根暗な女
なんて彼女にしたくないよ」
ネオは、少し悲しそうな顔
をしてあたしを見ていた。
同情とは違うってことが
ちゃんとわかったから、
胸は痛くならなかった。