極 彩 グ レ - ス ケ - ル

爆音を響かせながら
ネオは海の側の道を
走り出した。

大きな車体を操る
男の人にしては
細めな腕に筋肉の筋
が浮かぶのを見て、
やっぱりネオは男の子
なんだなぁと思った。

ヘルメットからはみ出た
髪が、風に流される。
潮の匂いのする風を
肺いっぱいに吸い込むと
ネオのいい匂いがした。
香水をつけているのだろうか

海はいつもどおり、黒い
水面に光を反射させて
光っていた。
太陽は時間によって色合い
を変える。昼間は白いのに
今は濃い灰色だ。
ほんとうは、何色なんだろう
夕陽は、美しいのだろうか

音楽が、椎名林檎の
「茜さす、岐路照らされど…」
に変わった。ヴァイオリン
の悲しげな音色。ネオは選曲
がうまいんだろうと思った。

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