極 彩 グ レ - ス ケ - ル
高校に入学して3週間。
桜が散りはじめ、高校の
退屈さを知り始めたころ。
不思議な、美しい
少年に出会った。
なぜか写真部に入部し、
バイクでいつもの帰り道を
風のように駆け抜ける。
矢のようにきりかわる景色は
あたしにとってはすごく、
新鮮で刺激的で、
昨日までと少しずつ、色んな
ものが変化した気がした。
それは、
昨日までとは違う世界。
たぶん、
足を踏み入れてしまった
新しい世界。
導いてくれたのは、
ひとりの少年。
暮れる空と、花の匂い。
からだに、エンジン音と
ギターのリズムが響いて
心地よさを感じた。