極 彩 グ レ - ス ケ - ル
「色。ちょっとついてきて」
「え」
「お弁当持ったままでいいよ」
「あ、はい」
ネオはすたすたと教室を出よう
としていた。駆け足でついて行く。
視線を背に感じながら教室を出た。
廊下をネオが歩くと、
大抵の女子が振り返った。
ネオーと声をかける上級生もいた。
やっぱり、有名人なのだ。
ネオはそれらを適当に受け流して
すたすたと歩いた。写真部の部室
の前で立ち止まる。
じゃら、っと鍵を取り出して、
鍵穴に差し込むとかちりと音
がしてドアが開いた。
ネオは窓をあけて換気をすると、
またビーカーやアルコールランプ
を取り出し並べ始めた。
あたしは弁当を机に置き、
適当に腰掛けた。
「ごめんね」
ネオが短く言った。
「え?何が?」
「藤崎さんのこと。嫌な思い
させちゃったかな?ごめんね」
「あ、いや、あのくらいなら
慣れてるからいいけど…」
「ん?」
「あたし写真部に入ってよかった
んのかなって。なんで藤崎さん
たちは入部させてあげないの?」