極 彩 グ レ - ス ケ - ル

「ネオは、モテるね」

「そうかな?」

「うん。みんな見てるもん」

「そりゃショッキングピンクのTシャツ
ふつーに着てりゃあね」

「ショッキングピンク?」

「目の覚めそうな刺激的な色」

「ピンクは女の子の色じゃないの?」

「基本的にはね」

「ネオは女の子みないにきれいな
顔だからきっと似合ってるよ」

「そうかな、ありがとう」

ネオはもそもそとパンを
かじっていた。
あたしも弁当を紅茶で
流し込んだ。

「藤崎さんと仲良しなの?」

「藤崎さん?ああ」

「話してたしさ」

「なんか、入学してきて3日め?
くらいにメアド聞かれたんだ」

「教えたの?」

「ううん。この子とはメールしない
だろうなあと思って携帯壊れてるっ
てごまかしたんだよね」

「そうなんだ」

「うん。でもその夜メールが来た」

「なんで?」

「友達がね、おれのこと売ったんだ」

「あら」

「それからほぼ毎晩メールくるなぁ。
学校でもなにかと話しかけてくる」

「ネオのこと好きなんじゃない?」

「好き?」

「うん」

「まともに話したこともないのに」

「そんなもんだよ」

「そうなのかな」
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