極 彩 グ レ - ス ケ - ル
「次、図書室だよ」
かえが言う。
「あっ。そうなんな!
ほな色、一緒に行こうや」
めぐみが顔いっぱいで
笑いながら誘ってくれた。
「う、うん」
あわてて席を立ち、
彼女たちと歩きだす。
だれかと移動教室なんて
したことがない。
どきどきと胸が鳴っていた。
「ここでいいやろー?」
めぐみが図書室の隅の
机に席を陣取った。
めぐみのとなりにかえが座り、
かえの前に詩織が座った。
詩織の隣に腰をおろす。
まだ緊張している。
「なに固まってるんよぉ
このグループで緊張する事
なんかあらへんのやで?」
めぐみがそう言ってからから
と笑った。
「そーだよぉ。グループって
いったって、他の女子グループ
みたいになんていうか気を使う
ことなんかないんだよ、ここは」
詩織もそう言ってくれる。
「なんか、みんな、部活とか
一緒なの…?このグループ」
やっとのことで口を開いた
あたしに、かえが答える。
「いや、そんなんじゃないよ
あたしは茶道部だし、めぐみ
は吹奏楽。詩織は身長でわかる
かもだけどバスケ部だし」
「身長は余計だってばー。
そういえばなんか共通点
あるんだっけ?ここ」
詩織がのんびりと言う。
「特にあらへんなぁ。考えると。
まぁみんな個性的やで。ここ」
めぐみが言うとふたりは
うんうんと頷いた。