極 彩 グ レ - ス ケ - ル

「色は、何部なの?」

かえが聞いてきた。

「一応、昨日から写真部」

小さな声でこたえる。

「そうだ!西条寺先輩と話し
てたよねぇー?よくあの競争
を勝ち抜いたねぇ。すごい」

しおりが思い出したように言う。

「競争…っていうか、特に希望
もしてなかったんだけど、何故か
なりゆきで入部して」

「そういえば西条寺先輩、スカウト
いうてたもんなぁ。なんなん?
先輩とどういう仲なん?」

めぐみがにやにやしながら
あたしを見た。

「かっ関係って、そんなっ」

「色、あわてすぎ」

かえの冷静な突っ込みに、
めぐみと詩織が手を叩いて笑う。
あたしは赤面して小さくなった。
話題を変えるように言う。

「ね、ネオって有名なの?」

三人ともぴたりと笑うのを
やめてこっちを見た。

なにか変なことを言っただろうか。

「色、それ本気で言ってる?」

かえが口を開く。

「せや。西条寺音桜といえば
学校一の有名人やろ?」

めぐみが言った。

「写真の腕もすごいけど、
あのルックス。帰国子女って
噂もあるけど、とにかくかっこ
いいって中学の時から噂は入って
たよ。確かにキレーな顔してるよね」

詩織は夢見がちに言った。

「ネオって、有名人なんだ…」

「っていうか、うちの高校の説明会で
全国模試10位に入った秀才がいるって
きかなかった?それ、西条寺先輩の事
らしいよ。秀才でも有名だし」

かえが言う。

「不良っぽさでも有名やなぁ。
校則に厳しいうちの学校で
教師も西条寺先輩だけには目を
瞑ってるらしいで。ヤンキーって
わけじゃないワイルドさも人気
のひとつなんやないん?まぁ
うちのダーリンのがうちにとっては
数倍かっこいいけど!」

めぐみが断言する。

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