極 彩 グ レ - ス ケ - ル
「つまらなかったから」
かえは簡単にそういってのけた。
「つまらなかった?」
「人の悪口と男と化粧と
なんらかの自慢しかしてないの。
一日いていやになったから」
「そうなんだ…」
「かえも馬鹿だよねぇ。あそこ
にいればなにかとオトクなのに。
男子からはちやほやされるし
先生たちも甘いしさぁ」
詩織が言うと、かえは短く
「興味ない」
と言った。
「詩織は、バスケ部だから
藤崎さんとは仲いいんじゃないの?」
「うーん…あー…」
詩織は目線を泳がせる。
「どうしたの?」
「なんていうか、バスケ部内にも
派閥?ってゆうのかなぁ、そういう
感じのがあるんだよね。加奈ちゃん
は上手くてちょっと気の強い感じ
の派閥にいるからさ。あたしはのほ
ほんグループね。なんてゆうか、加奈
ちゃんかわいいしバスケも超うまい
から顧問にも先輩にも気に入られて
るんだよね。でも思ったこととか
ズバズバ言うからさ、皆ちょっと
こわがってるんだよねぇ」
「そうなんだ」
「まぁ、藤崎チャンってお家もこの辺
じゃ有名な旧家なんやろ?そのうえ
バスケもできて顔もかわいい、成績
だって学年10位に入るしなぁ。まぁ
気の強いところが玉にキズやけども
モテるのにも頷けるってモンやわぁ」
なぜが面白くなさそうに
めぐみがぼやいた。
「あたしは色のほうがずっと
いいと思うけど」
かえがとんでもないことを言う。