極 彩 グ レ - ス ケ - ル

あたし、泣いてる。

悲しくて?ちがう、

「嬉しくて」

呟いていた。

「え?」

三人とも、困惑の表情で
あたしを見ている。

「嬉しくて、泣いてるの。
ごめんね、バカみたいだよね。
そんなやさしいこと、言われた
ことがなかったから。でも、
ほんとうに、ありがとう」

やっとのことでそう言った。
涙はぼたぼたと零れ続けた。

「色…あんた…」

めぐみの声。
恐る恐る顔を上げた瞬間、
身をのりだしためぐみに
抱きしめられた。

「ええこすぎるやろーっ!
てか可愛すぎるやろーっ!
うちこんな子みたこと
あらへんわぁーっ!」

詩織はうんうんと頷く。

かえは苦笑しながらハンカチを
差し出してくれた。

かえのくれたハンカチで
顔をふきながら、思った。

ああ、あたしは勝手に女子っ
てこんなもんだって決め付けて
いたんだなぁ。

こんなに、あったかい人たち
こんなに、近くにいたんだなぁ。

今まで歩み寄らなかった
ことを、少しだけ後悔した。

「これからいっぱい仲良く
しよーなっ!よろしくな!」

めぐみが笑いながら言う。

そうだ、これからがある。

これからたくさん、
この子たちと笑えるんだ。

そう思うと、胸が弾んだ。


多分、あたしにとって
はじめての、ちゃんとした

友達、だった。
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