極 彩 グ レ - ス ケ - ル
色へ
元気にしていますか?
母さんは、元気です。
オーストラリアは、秋から冬へと
変わろうとして、少しずつ寒くなって
きています。
ついこの間、准教授に就任したばかりなので、
仕事はとても忙しいです。
色は、学校には行っていますか?
楽しいのでしょうか?
身体や、目の調子はどうですか?
暇な時はメールでもいいので
連絡してくれると、とても嬉しいです。
お金やその他で、困ったことが
あったらちゃんと教えてくださいね。
カゼをひかないようにね。
母さんより
短い、いつもと特にかわらない
手紙の内容だった。読みおえて
顔をあげる。
携帯を手に取る。
数回のコールのあと、久しぶりに聞く声。
「色?色なの?」
「久しぶり、母さん」
「ああ、声が聞けてよかった。
いつも電話でてくれないから」
「ごめんね。手紙届いたから」
「そう。学校は楽しい?」
一拍、置く。
「楽しい、よ」
「あなたの口から、はじめてその
言葉を聞いた気がするわ。安心した」
すっかり暗くなった部屋の電気を
つける。母さんに別れを告げる。
電話を切って携帯を見ると、
4件のメールが入っていた。
元気にしていますか?
母さんは、元気です。
オーストラリアは、秋から冬へと
変わろうとして、少しずつ寒くなって
きています。
ついこの間、准教授に就任したばかりなので、
仕事はとても忙しいです。
色は、学校には行っていますか?
楽しいのでしょうか?
身体や、目の調子はどうですか?
暇な時はメールでもいいので
連絡してくれると、とても嬉しいです。
お金やその他で、困ったことが
あったらちゃんと教えてくださいね。
カゼをひかないようにね。
母さんより
短い、いつもと特にかわらない
手紙の内容だった。読みおえて
顔をあげる。
携帯を手に取る。
数回のコールのあと、久しぶりに聞く声。
「色?色なの?」
「久しぶり、母さん」
「ああ、声が聞けてよかった。
いつも電話でてくれないから」
「ごめんね。手紙届いたから」
「そう。学校は楽しい?」
一拍、置く。
「楽しい、よ」
「あなたの口から、はじめてその
言葉を聞いた気がするわ。安心した」
すっかり暗くなった部屋の電気を
つける。母さんに別れを告げる。
電話を切って携帯を見ると、
4件のメールが入っていた。