極 彩 グ レ - ス ケ - ル
ネオは帰るときより飛ばしていた。
朝の空気を切って進む。
ネオが大きな声でなにか言った。
え?と聞き返す。
「歌わないのー?」
「うっ歌わないよっ!」
ネオの背中を軽くたたくと、
ネオが笑ったのがわかった。
裏門付近にバイクをとめ、
あたしだけが降りた。
ネオは、あたしからヘルメット
を受取り、遅れないようにね、
と言った。頷いて踵を返そうと
したとき、呼び止められた。
「色!」
「なに?」
「お昼、部室でね!」
頷くと、ネオはバイクを置きに行った。
風で乱れた髪をなおしながら、
教室に入る。
「色、おはよーさん!」
めぐみがにこにこしながら
近寄ってきた。
「あ、おはよう」
「色、髪の毛くちゃくちゃやぁ!
座りぃ?なおしたるわぁ」
「ありがと」
めぐみがコームで髪を梳いて
くれる。胸の下まである直毛
が、徐々にまっすぐになってゆく。
「今日、そんな風強いかぁ?」
めぐみが不思議そうに言う。
「あ、えっと、コレ」
「昼休み、事情聴取ね」
気づくと後ろに肩で息をしてる
かえがいた。
「なんやー?そんな深い
ワケがあるん?興味あるわぁ」
めぐみがにやにやしている。
「そんなっ別にそんなんじゃ…
あと、昼休みはちょっと…」