極 彩 グ レ - ス ケ - ル

「昼休みはちょっと何があるのよ」

かえもにやにやしている。

「隊長!小食そうな色のお弁当が
なぜか二個あります!片方はサイズ
や包みの色的に男性用と思われます!」

いつのまにかしおりがあたしの席に
座って、勝手に弁当用のバッグを
覗き込んでいた。

「なぁーにぃ!?色、あんたコレ
もしかしてネオせんぱ「わーわーうわー」

大きな声で言っためぐみの言葉を
かえがさえぎる。

かえの視線の先を辿る。

藤崎さんがいた。

戦慄するほど、冷たい目をしていた。

「とにかく、後で話きくから」

始業のチャイムが鳴るとほぼ同時に
3人は席へと帰っていった。

なんとなく藤崎さんを見る。

机に肘をつき、顎を乗せた姿勢で
まだあたしを見ていた。

顔をふせる。
あたしが、何かしたのだろうか。

苦手だ、と言ったネオを思い出す。
人を見下すような彼女の表情は、
たしかに、怖かった。

数学の教師が前にたつ。

小テストを開始する、という
声にクラスじゅうがブーイングした。
あたしはかえと目をあわせて笑った。
めぐみは泣きそうな顔、しおりは
とうにあきらめたようにペンを回して
いた。配られた問題用紙と向き合う。

藤崎さんが、あたしのことを
どう思おうとかまわない。

あたしには、友達が、いる。

ネオだって、いる。

あたしは、大丈夫。

窓の外では、
やわらかな桜の葉がゆれていた。
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