極 彩 グ レ - ス ケ - ル
「…しき?」

頭上から声が降ってきた。

低いのに、透き通る
やさしい声。

「ネオ、お願い、見ないで」

「どうしたんだよ」

「いや、お願いよ、ひとりにして」

「色、お願いだ、こっちを見て」

ネオの掌が頬を挟んだ。
むりやり、ネオに顔をむけられる。

「どうして、泣いてる?」

「大丈夫、なんでもないの」

「そんな悲しい顔で言われても
なんの説得力もないよ一体
どうしたの?何かあったの?」

「弱虫な自分が、いやになった
だけなの。気にしないで」

「でも…」

「いいの。よかったらお茶が
飲みたい。いれてくれる?」

ネオは頷くと、いつものように
実験道具の準備を始めた。
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