極 彩 グ レ - ス ケ - ル
ネオが戻ってくるまでに、
紅茶をいれておこうと
準備をしている時だった。
がらりとドアがあいた。
「ただいま」
ネオの声に顔をあげた瞬間、
思わず少し笑ってしまった。
ネオの後ろに、知った顔が
いくつもあったからだ。
めぐみ、かえ、詩織、トシくん。
「大丈夫!?色!」
詩織が駆け寄ってくる。
首にだきつかれた。
「うん、大丈夫。心配させちゃって
ほんとにごめんね。みんな」
「ほんまやでー?帰ってこんから
心配したんやで?ほんまにもう」
めぐみがぐりぐりと頭を撫でる。
「ちょっと人数多いけど、大丈夫?」
ネオが優しくきいた。
「もちろん、大丈夫。ありがとう」
ネオは頷いて、あたしのやりかけ
の紅茶の準備を続けた。
「色ちゃん、お邪魔するなぁ」
「食べながら言わないの」
すでに席を決めたトシくんと
かえが、のんびりと言った。
「あ、あと、アイツのことだけど」
かえが言った。
「アイツ?」
「藤崎さんよ」
「あ、うん」
あたしが戸惑いながら頷くと、
かえが話し始めた。