極 彩 グ レ - ス ケ - ル

「うっはー!女泣かせだねぇネオ」

トシくんが笑いながらネオを見た。

ネオはあたしの前にカップを置くと
向いがわに腰かけた。

「おれは、藤崎さんと毎日メール
してた覚えなんてないんだけどね」

「にしても、爽快な気分になれました」

かえが笑うと、ネオも少し笑った。

「で、ネオ先輩が色のごはんってどれ?
ってきいたから、一緒に食べるなら
つれてってください!って無理やり
ついてきちゃった。ごめん。心配で」

しおりがすまなそうに言ったから、
あたしはぶんぶんと顔を横にふった。

「で、たまたま途中であったトシも
連れてきたの。それより色、ネオ先輩
に渡すものあるんじゃないのー?」

かえがにやにやしながらこっちを見る。

あたしは慌ててネオが持ってきて
くれた袋から、黒い包みの四角い
ランチボックスを取り出し、ネオ
に差し出した。

「おいしくは、ないと思うけど…」

「ありがと。コレ楽しみに学校来た」

ネオはにこにこしながら受取った。

トシくんがヒューッと口笛を吹く。

「いいねぇー!愛妻弁当?」

ネオはにこにこしながら、
いいだろー、やんねーぞー
なんて言う。あたしはどうすれば
いいかわからずに自分の弁当を
開いた。顔がひどく熱い。

「あ、なにコレすっごいうまい」

いつの間にか弁当を口にした
ネオが呟いた。

「ってか、色これ自分で作ったん!?
すっごいめっちゃおいしそうやん!」

めぐみがあたしとネオの弁当を
覗き込んで感心したように声を上げた。
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