極 彩 グ レ - ス ケ - ル

「やーんネオそんな寂しいこと言わ
ないでよーおれがいるじゃーん!」

「うめえ。卵焼き絶妙」

「無視かーい」

「だってトシキモいもん」

「かえちゃんひどーい」

賑やかな食事の時間なんて、
どのくらいぶりだろうか。

黙々とあたしの作った弁当
を食べているネオを見た。
きれいに箸を持ち、おいしそう
にご飯を食べる人だと思った。

作ってきて、よかった。

にぎやかな食事を、すこし
くすぐったくて、でもとても
楽しく感じた。

「っていうか、なんで写真部
なのに部室にシンセがあるん?」

めぐみが唐突に聞いた。

「えーと、それは…」

あたしが口ごもると、ネオが
よこから言った。

「めぐみちゃんって吹奏楽部?」

「あ、はい。パーカッションです」

「そうなんだ。色は写真部だからね!
渡さないんだから!」

「え?どういうことなんです?」

「色、物凄くピアノが上手いんだ。
俺一回聞いてファンになってさ。
いつでも色が弾けるようにおれが
置いたんだよ、部室に」

「えーっ!?うち聞いてへんでぇ色!」

「色、ピアノうまいんだー」

「う、うまくはないんだけど
ほんの趣味でやってたの」

「ねぇ、吹奏楽はいらへん?」

「だからだめだってば!!」

「ねえねえかえちゃん、ネオが必死」

「そうねトシ。色を離したくないのよ」

「うるさいバカップルめ」

「ネオこわーい」

「ネオ先輩こわーい」
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