極 彩 グ レ - ス ケ - ル

最初、その人の性別がわからなかった。
その華奢な身体を包んでいるのは
着くずされた男子用の制服で、
カメラをもったままの指は、
細いけれど骨ばっていた。

柔らかそうな細い髪は
肩にかかるくらい長くて、
重いウルフカットになっていた。
あたしの目から見て、
濃い灰色に見える髪。
少し脱色しているのだろうか。
そこらの女子よりも白い肌、
細い眉、通った鼻筋、薄い唇
そして奥二重の少し上がった目。
不思議な目をした人だと思った。
射るような冷たさと
包まれるような温かさを
同時に感じさせる、瞳。


美しい、少年だった。
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