極 彩 グ レ - ス ケ - ル
きっぱりと言い放つ。
藤崎さんが固まっていた。
かーっこいー、と
誰かが呟いたのが聞こえた。
めぐみが親指を立てて
顔いっぱいで笑っていた。
教師が入ってくるのと同時に
無表情で席に戻る藤崎さん
を見ながら、息をつく。
かわいそうなんかじゃない。
よくやった、とでも言いたげ
な大事な友達たちが、今のあたし
にはいるんだから。
あたしを認めてくれる、
ネオだって、いるんだから。
あたしは、大丈夫。
軽快な「透明人間」が
まだ耳に残っている気がした。