ほほ笑みの天使
「忠告しておくけど、それ、
あんまり上等の悪魔じゃないから。
誰をも振り返らせる
美貌と引き換えに、
何を望まれるか、わからないよ。」
ニッコリと笑った顔が、
寂しげだった。
「あのさ、あなたは、それでも、
その姿を望んだの?」
「悪魔に魂を売ってでも、
手に入れたいと、思ったんだ。」
あたしは、どうなんだろう。
「本気で望みさえすれば、
悪魔は現れる。
使うか、その石を砕くかは、
アナタ次第。
・・・ここ、覚えといて、
次の人に渡すときには
言わなきゃならないから。」