黄色いバナナ

雫と祐希に背中を押され、教室が分からないという慎弥と共に教室を出た。

『まじこの学校、複雑すぎるし〜』

「っていうか、慎弥さんって呼ばなきゃ?」

『いや、さんとかいらない。慎弥でいいよ』

身長が高い慎弥は、あたしを見下げた。

『玲依、身長小さっ』

「慎弥がデカイだけだって。あたし、並だもん」

あたしの言葉に笑った慎弥は、綺麗な顔立ちと逆に可愛い笑顔だった。

こりゃ、モテるだろう。

「慎弥ってモテる?」

『モテんなー。最近告られたことがない』

「恋愛経験とか多そうなのに?」

『彼女はいっぱいよ?よし子にのぶ子にステファニーにキャサリンに、マイケル』

「途中マイケルって、男じゃん」

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