黄色いバナナ
一時間後――
『は〜やばい〜っ』
祐貴が叫んだ。
『もぉ〜、淳平っ』
隣の部屋からは、雫の声までする。
あたしは結局飲まなかった。
というか、飲めなかった。
「祐貴、もう帰るね」
こそっと耳元で言うと、祐貴はとろんとした目で視点をあたしに変えた。
『ん、じゃねぇい』
家の中は複雑だったけど、やっとの思いで外に出た。
『帰るの?』
突然後ろから声がしたから、びっくりして振り向くと慎弥が立っていた。
「はい」