猫とうさぎとアリスと女王
 こんな気持ちは初めてです。


胸がドキドキして、ある特定の男性に会いたいとばかり願い、その人のことばかり考えてしまう。


「あら、それはよかったじゃない。
マコの男嫌いが治るのは喜ばしいことだわ。」


私が恋をするだなんてこと、絶対に有り得ない話だと思っていました。


私の恋人は永遠にギャスパー・ウリエル様だけ。
そう思っていたのに・・・。


なんだか、天地がひっくり返ったような気分です。







 その後、私はイオと別れて帰宅。

そしてすぐに部屋へと入り、真っ先に写真立てを手に取りました。




写真立ての中ではギャスパー・ウリエル様が微笑んでいます。


私はすぐに彼に謝罪をしました。



「御免なさい、ギャスパー・ウリエル様。
私、恋をしてしまったみたいです。」



彼はずっと写真立ての中で微笑んでいました。


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