猫とうさぎとアリスと女王
 あれから学校には行っていない。
ずっと休みっ放し。もうあれから何日経ったんだろう。わからないや。
考えるのも面倒だ。

毎日ベッドで眠って、起きてもベッドの上で、目を瞑ったらいつの間にか眠ってて、それの繰り返し。
食事も摂る気にはならなくて、不思議とお腹も減らなかった。


マコに、悪いことしちゃったな・・・。

あんな風に怒鳴って、たぶんびっくりしたんじゃないかな。


僕のこと、いつも考えてくれたのに。

デートも台無しにしちゃったし。
最低だな、僕。

結局マコのこと利用してたのかな。



どうなんだろ。わかんないや。




すると僕の部屋のドアをノックする音が聞こえた。

僕は無視した。
どうせ大した用事じゃない。


けれどノックの音は止まない。


「どうぞ。」


僕はベッドの上に寝そべったままそう言った。

まだ止まない。


「ったく・・・。」


仕方なく僕は重い体を引きずり、ずるずるとドアまで歩いた。



一つ、ため息を吐く。



そしてドアを開けた。





そこにいたのは、小さな小さな天使だった。


フリルとレースに包まれた童顔の天使が、僕を見上げて微笑んでいた。




僕にはそう見えた。




天使が迎えに来たに違いない、と。
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