猫とうさぎとアリスと女王
寂しそうにぽつりと呟いたサボ。
私は今、サボの背中を見ながら一緒に歩いています。
「別にお前が来ること無えだろ。」
サボはそうやって悪態をつくように言いました。
けれど、私はなんとなく行きたかったのです。
否、行かなくてはならない気がしました。
サボのお母様がどんな方で、どのような人生を歩んできたのかは知りません。
けれど一度会わなくてはならない気がしたのです。
向かう先はサボの家。
サボの家と言っても、あのボロボロのアパートメントのことでは御座いません。
サボがかつて住んでいた奏芽邸です。
しかし途中、サボがお花屋さんの前で立ち止まりました。
「マコ、金あるか?」
「・・・ありますけど。」
「俺、手持ちの金無いんだわ。」
サボが何を言いたいかはわかりました。
まあ、お花くらい値段は知れています。
「はっきりと“お花を買って欲しい”と言ったらどうです?早く選んでくださいな。」
「悪いな。」
全く悪びれもしない様子で、サボはお花を買います。
しかしその買った花というのが・・・。
「本当にそのお花でいいのですか?」
「おう。」
「サボ、わかってます?そのお花は・・・。」
「彼岸花だろ?知ってるよ。」
「何故、彼岸花なんです?彼岸花にはいいイメージなど一つもありませんわよ?
それに家に持って帰ると火事になると言われているのを、知っていて持って行くのですか?」
するとサボは束ねてもらった彼岸花を片手に持ち、眉間に皺を寄せて私に言います。
「そんなもん迷信だろ。俺、毎度毎度持ってってるけど火事になんてならねえし。
それにマイナスのイメージがあるのは日本ぐらいだぜ。」
迷信といえど、本当に何か悪いことが起きたらどうするつもりです?
サボの考えていることは本当にわからないことだらけです。
私はそれ以上の発言をやめ、仕方なくサボのなすがままにしておきました。
まあ、理由も無しに彼岸花を家に持って行くわけでは無いでしょうし。
それに季節はお彼岸。
丁度いいのかもしれません。
私は今、サボの背中を見ながら一緒に歩いています。
「別にお前が来ること無えだろ。」
サボはそうやって悪態をつくように言いました。
けれど、私はなんとなく行きたかったのです。
否、行かなくてはならない気がしました。
サボのお母様がどんな方で、どのような人生を歩んできたのかは知りません。
けれど一度会わなくてはならない気がしたのです。
向かう先はサボの家。
サボの家と言っても、あのボロボロのアパートメントのことでは御座いません。
サボがかつて住んでいた奏芽邸です。
しかし途中、サボがお花屋さんの前で立ち止まりました。
「マコ、金あるか?」
「・・・ありますけど。」
「俺、手持ちの金無いんだわ。」
サボが何を言いたいかはわかりました。
まあ、お花くらい値段は知れています。
「はっきりと“お花を買って欲しい”と言ったらどうです?早く選んでくださいな。」
「悪いな。」
全く悪びれもしない様子で、サボはお花を買います。
しかしその買った花というのが・・・。
「本当にそのお花でいいのですか?」
「おう。」
「サボ、わかってます?そのお花は・・・。」
「彼岸花だろ?知ってるよ。」
「何故、彼岸花なんです?彼岸花にはいいイメージなど一つもありませんわよ?
それに家に持って帰ると火事になると言われているのを、知っていて持って行くのですか?」
するとサボは束ねてもらった彼岸花を片手に持ち、眉間に皺を寄せて私に言います。
「そんなもん迷信だろ。俺、毎度毎度持ってってるけど火事になんてならねえし。
それにマイナスのイメージがあるのは日本ぐらいだぜ。」
迷信といえど、本当に何か悪いことが起きたらどうするつもりです?
サボの考えていることは本当にわからないことだらけです。
私はそれ以上の発言をやめ、仕方なくサボのなすがままにしておきました。
まあ、理由も無しに彼岸花を家に持って行くわけでは無いでしょうし。
それに季節はお彼岸。
丁度いいのかもしれません。