猫とうさぎとアリスと女王
少し離れた場所にある墓地に、サボのお母様のお墓はありました。
立派な墓石に真っ赤な彼岸花を備え、お線香と蝋燭に火を灯します。
サボはめを瞑って静かに手を合わせました。
私も同じように手を合わせます。
初めまして、サボのお母様。
サボにはいつもお世話になっています。
私は心の中でサボのお母様に挨拶をし、目を開けました。
「さ、帰るか。仏壇にも線香あげるから、また家帰るぞ。」
私はサボに言われた通りにまた奏芽家へと引き返しました。
サボのお母様の松子さんのお仏壇は、それはそれは豪華な物でした。
和室が一部屋、松子さんの為の部屋になっているのです。
そこに豪華なお仏壇があり、松子さんの写真が飾ってありました。
「綺麗な方ですね。」
写真でも鮮明に分かるほど色が白く、真っ黒な瞳が大きく輝いています。
小さくて控えめな唇に細い首。
人柄の良さが滲み出ているようでした。
「だろ?本物はもっと美人だぜ。」
サボはまた同じように蝋燭とお線香に火をつけ、手を合わせました。
私も同じようにします。
畳の匂いと、お線香の匂いが部屋に漂います。
真っ赤な彼岸花だけが場違いなほどに咲きほこっていました。
「マコ、俺少し用事あるから隣の客間に行っててくれるか?
ツネにお茶持ってこさせるから、ゆっくり休んでろ。」
「わかりました。」
久々に家に帰宅し、お母様の命日とあらば色々と思うこともあるでしょう。
私は素直に隣の客間へと移動し、お茶に口をつけました。
その時、突然扉が開きました。
驚いてそちらに目をやると、そこにはサングラスをかけたロングヘアーの女性がいました。
「あら?貴方どちら様?」
女性はサングラスを少し下にずらし、上目遣いで私を見ました。
立派な墓石に真っ赤な彼岸花を備え、お線香と蝋燭に火を灯します。
サボはめを瞑って静かに手を合わせました。
私も同じように手を合わせます。
初めまして、サボのお母様。
サボにはいつもお世話になっています。
私は心の中でサボのお母様に挨拶をし、目を開けました。
「さ、帰るか。仏壇にも線香あげるから、また家帰るぞ。」
私はサボに言われた通りにまた奏芽家へと引き返しました。
サボのお母様の松子さんのお仏壇は、それはそれは豪華な物でした。
和室が一部屋、松子さんの為の部屋になっているのです。
そこに豪華なお仏壇があり、松子さんの写真が飾ってありました。
「綺麗な方ですね。」
写真でも鮮明に分かるほど色が白く、真っ黒な瞳が大きく輝いています。
小さくて控えめな唇に細い首。
人柄の良さが滲み出ているようでした。
「だろ?本物はもっと美人だぜ。」
サボはまた同じように蝋燭とお線香に火をつけ、手を合わせました。
私も同じようにします。
畳の匂いと、お線香の匂いが部屋に漂います。
真っ赤な彼岸花だけが場違いなほどに咲きほこっていました。
「マコ、俺少し用事あるから隣の客間に行っててくれるか?
ツネにお茶持ってこさせるから、ゆっくり休んでろ。」
「わかりました。」
久々に家に帰宅し、お母様の命日とあらば色々と思うこともあるでしょう。
私は素直に隣の客間へと移動し、お茶に口をつけました。
その時、突然扉が開きました。
驚いてそちらに目をやると、そこにはサングラスをかけたロングヘアーの女性がいました。
「あら?貴方どちら様?」
女性はサングラスを少し下にずらし、上目遣いで私を見ました。