猫とうさぎとアリスと女王
 サングラスが大きく見えるほどに小さな頭をしたその人は、まるで雑誌か何かのモデルさんのようでした。

細身のジーンズにTシャツにカーディガンというシンプルな格好。
しかしその服装が彼女のスタイルの良さを際立てています。


「キヨの彼女?」

「キヨ?」


先程もツネさんが呼んでいましたが、キヨとはいったい何なのでしょう。
おそらくサボのことではあると気付いていましたが、キヨというのは・・・。


「挿袈清、あたしの弟。」

「スケキヨ?」

「そうよ。あの子スケキヨって名前だもの。」


サボの本名が挿袈清だなんて初耳です。
それでキヨですか・・・。


「ということは、サボのお姉様ですか?」

「サボってキヨのことね。あたしは紗代子、キヨの姉。よろしく。」


紗代子さんはサングラスを外して私の正面に座りました。


「私はサボの友人のマコです。よろしくお願いします。」


それより紗代子さん、本当に綺麗・・・。
イオとはまた違った雰囲気ですが、とっても綺麗な方です。


「キヨ、来てるのよね?今は部屋にいるの?」

「わかりません。用事があるとだけ言われました。」

「あの子ね、母さんの命日には必ずするのよ。毎年そう。
お墓とお仏壇にお参りして、自分の部屋に籠もってアルバムを見返すの。」


顔色一つ変えずに紗代子さんは言いました。


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