猫とうさぎとアリスと女王
　私が病室へ戻ろうとすると、病院のロビーでイオと鉢合わせをしました。


「シーナは？」

「先に帰るようです。サボはどうですか？」


イオは苦笑してこたえます。


「不貞寝してるわ。」


私は踵を返し、イオと帰路につきました。

イオはこのような状態にも一切うろたえず、冷静でいます。
私はイオのようにはなれません。

心のどこかでこのままバラバラになってしまうのではないかという不安があるのです。


サボもシーナも喧嘩したままで、もう四人でいられることは無いのかもしれないと。


「マコ、心配しなくても平気よ。」


私は顔を上げてイオを見ました。


「サボもわかってる筈だわ。
自分が何をしたのかってことも、シーナにあんなことをされた理由も。
お互いにわかっているはずだから平気よ。」


イオはそう言って私を励ましてくれました。

その言葉が、何よりも私の心に響きました。
少し心が軽くなった気がします。


「もしあのままの状態が続くようだったら、私とマコで仲を取り持ってあげましょうね。」


イオは微笑んでそう言いました。


今ここにイオがいて、本当に良かったです。
イオが友達でよかったと心から思えました。


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