猫とうさぎとアリスと女王
不器用で強がりなサボは、決して弱音を吐きませんでした。
それはどんな時でも変わりません。
涙だって決して流したりはしませんし、常に飄々としているように振舞います。
けれど私はそんなサボが好きでした。
格好悪いくせに格好いい振りをする。
それがサボらしい生き方なのだと、私はわかっているから。
きっとイオもシーナもわかっている筈です。
「でも、本当にいいの?」
イオが心配そうに私を見ました。
いつか聞いたような台詞。
けれど私はもう前とは違います。
「ええ。迎えに来ると言ってくれましたから、私は待つだけです。」
「一緒にフランスへ行きたいんじゃないの?」
私は少し沈黙を置きます。
「行きたくないと言ったら嘘になります。
シーナは優しいですから、私が一緒に連れて行って欲しいと願えば頷いてくれると思います。
でも私がフランスへ行っても何かできる訳では無いですから。
それこそ傍に居ることしかできません。
私、お荷物になるのだけは嫌なのです。
折角一緒にいられるのなら、私は何かシーナにしてあげたいですから。」
私がそう言うと、サボがくるりと向きを変えて口を開きました。
「マコってさ、そういうところ男前だよな。」
お・・・男前、ですか・・・。
「もっと可愛い表現をしてくださいな。」
私が不満を漏らせば、イオもサボの言葉に同意します。
「確かに。それはわかるわ。
やっぱり家柄とか、過去の栄光の問題かしらね?」
「昔の話はよしてください・・・。」
イオはくすくすと笑いました。
それはどんな時でも変わりません。
涙だって決して流したりはしませんし、常に飄々としているように振舞います。
けれど私はそんなサボが好きでした。
格好悪いくせに格好いい振りをする。
それがサボらしい生き方なのだと、私はわかっているから。
きっとイオもシーナもわかっている筈です。
「でも、本当にいいの?」
イオが心配そうに私を見ました。
いつか聞いたような台詞。
けれど私はもう前とは違います。
「ええ。迎えに来ると言ってくれましたから、私は待つだけです。」
「一緒にフランスへ行きたいんじゃないの?」
私は少し沈黙を置きます。
「行きたくないと言ったら嘘になります。
シーナは優しいですから、私が一緒に連れて行って欲しいと願えば頷いてくれると思います。
でも私がフランスへ行っても何かできる訳では無いですから。
それこそ傍に居ることしかできません。
私、お荷物になるのだけは嫌なのです。
折角一緒にいられるのなら、私は何かシーナにしてあげたいですから。」
私がそう言うと、サボがくるりと向きを変えて口を開きました。
「マコってさ、そういうところ男前だよな。」
お・・・男前、ですか・・・。
「もっと可愛い表現をしてくださいな。」
私が不満を漏らせば、イオもサボの言葉に同意します。
「確かに。それはわかるわ。
やっぱり家柄とか、過去の栄光の問題かしらね?」
「昔の話はよしてください・・・。」
イオはくすくすと笑いました。