猫とうさぎとアリスと女王
 智鶴さんはどんなカフェに連れて行ってくれるのでしょうか?
わくわくしながら車中でそんなことを考えていると、携帯電話が鳴りました。

ディスプレイには“トラ”の文字。


「もしもし?」

「姐さん!?よかった!今、平気ですか!?」


なんだか物凄く焦っているようです。

私が少し戸惑いながらも返事をすると、トラは息を荒げて言いました。


「ウチで出回っているクスリ、誰が売ってるのかわかりました。
キキが尻尾を掴んだんです。」


大分前に話したこと。

ついに悪質なドラッグDay Dreamを密売している人間の正体がわかったと言うのです。


「トラ、本当ですか!?」


「はい!キキが間違い無いって言ってます。

DDを売りさばいている大元の人間は“国政組”だそうです。
新しいタイプのクスリを外国で開発・輸入して、日本で売ってるみたいで・・・。」


「貴方、今どこにいるのですか!?
すぐにお父様に連絡して・・・。」


「姐さん、もう一つ大事な話があるんです!

サボの兄貴、誰からクスリ買ってるか知ってますか?」




私の背筋を冷たい汗が流れました。




「最悪、この件に絡んでるかもしれません。」




私は目を瞑りました。
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