猫とうさぎとアリスと女王
 何度も何度もサボに電話をかけました。
念のために自宅にもかけました。

しかし、サボの声を聞くことはできませんでした。


最悪です。

国政組はこの辺りでもかなり大きな組織の一つ。
もし運悪く今日、サボがクスリをやめると言い出したらどうなってしまうのか・・・。

容易に想像がつきます。


もしかしたらコンクリートで固められ、東京湾に沈んでしまうかも・・・。
はたまた嬲り殺されている最中かもしれません。

私はすぐにトラに電話を繋ぎます。


「トラ!サボの居場所は!?」

「そこまではちょっと・・・。」

「全く!使えないわね!!!
貴方、一体どこにいるのですか!?」

「姐さんの家の前に・・・。」


「家の前ですね!すぐにそちらに行きますから待っていなさい!
待っている間、私のお父様に早急に連絡を!

それと・・・。」


運転手さんは事態を把握し、Uターンをして私の家に向かいます。


「いつもの場所に全員集めてください。可能な限り。」


「いつもの場所って・・・。まさか、姐さん・・・。」


「兎に角、裏新宿に集まるように指示を!
その後、私が直々に行って訳を説明します。
その方が手っ取り早いでしょうから。」


「わかりました。待ってます。」


それだけ伝え、私は電話を切りました。



急がなくては・・・。





サボを、助けなければ・・・!!!
< 240 / 281 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop