猫とうさぎとアリスと女王
「明かりつける?」
真っ暗な病室の中、シーナが言いました。
私はその言葉に首を振ります。
「シーナが平気なら、このままでいさせてくれませんか?
月がとっても綺麗なので。」
窓から覗く満月。
月など久しく見ていない気がしました。
シーナは微笑んでベッドの淵に腰を下ろします。
「僕もそう思ってたとこ。」
シーナと同じ心持でいられただけで、私はなんだか嬉しく思えました。
「頭、痛まない?」
「ええ。昔は・・・。」
“昔はこんなことは日常茶飯事でしたから”、そう言いかけて私は口を閉ざしました。
そうでした。
私、まだシーナに言っていないことがあったのです。
先程お父様も来ましたから、すでにシーナは知っているのかもしれません。
私が極道の娘であったこと。
反逆グループのリーダーであったこと・・・。
今が話すべき時なのだと、私は悟りました。
「シーナ、もうすでに知っているかもしれませんが・・・。」
そこで私は一息つきました。
やはりこのことを話すのには勇気がいります。
シーナを見てみれば、とても優しい表情をしていました。
そう、まるで月の光のような。
真っ暗な病室の中、シーナが言いました。
私はその言葉に首を振ります。
「シーナが平気なら、このままでいさせてくれませんか?
月がとっても綺麗なので。」
窓から覗く満月。
月など久しく見ていない気がしました。
シーナは微笑んでベッドの淵に腰を下ろします。
「僕もそう思ってたとこ。」
シーナと同じ心持でいられただけで、私はなんだか嬉しく思えました。
「頭、痛まない?」
「ええ。昔は・・・。」
“昔はこんなことは日常茶飯事でしたから”、そう言いかけて私は口を閉ざしました。
そうでした。
私、まだシーナに言っていないことがあったのです。
先程お父様も来ましたから、すでにシーナは知っているのかもしれません。
私が極道の娘であったこと。
反逆グループのリーダーであったこと・・・。
今が話すべき時なのだと、私は悟りました。
「シーナ、もうすでに知っているかもしれませんが・・・。」
そこで私は一息つきました。
やはりこのことを話すのには勇気がいります。
シーナを見てみれば、とても優しい表情をしていました。
そう、まるで月の光のような。