猫とうさぎとアリスと女王
 私は全てをシーナに話しました。

家柄のこと。
お父様とお母様のこと。
イオと出会ったこと。
トラのこと。
私自身のこと。

シーナは何も言わずただ頷いてだけくれました。


「御免なさい・・・今までずっと黙っていて。」


シーナはこんな私を怒るかしら。
それとも涙して私を責めるのでしょうか。

不安に思っていましたが、シーナは私の予想を裏切りました。


「僕に言ってくれなかったのは正直ショックだったけど、でもいいよ。
そんなのどうでもいい。

過去とか、家柄とか、そんなもの関係無いよ。
マコは僕が同性愛者だってわかっても嫌ったりしなかっただろ?
それと同じさ。」


その言葉で私は救われた気がしました。

今までコンプレックスだったことが、シーナの言葉一つで綺麗に洗い流されたような。

世間は私を暖かい目では見てはくれないでしょう。
けれどサボやイオ、シーナが優しい目で見てくれるのならば、それでいいのではないかとさえ思えました。


「マコ、抱きしめていい?」


「はっ!?」


私の返事も待たず、シーナは唐突に私を抱きしめました。

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