猫とうさぎとアリスと女王
私がその本を読んでいると、シーナが本を覗き込んで言いました。
「何読んでるの?“不思議の国のアリス”か・・・。
マコってさ、主人公のアリスに似てるよね。ちっちゃくて可愛くて。」
私が顔を真っ赤にしていると、サボが付け加えてこう言いました。
「ぴったりじゃん!シーナという名の時計うさぎを追いかける、完全無知なアリス。」
私はその言葉に苛立ちました。
正直、サボに完全無知とは言われたくありません。
だって確実にサボの方が頭は悪いですもの。
「私がアリスでシーナが時計うさぎならば、サボはチェシャ猫ですわね。
いつもアリスにいらないことばかりを助言し、惑わせる。」
するとイオがクスクスと笑いました。
「本当、ぴったり。それにサボほど“grin like a Cheshir cat”って言葉が似合う人っていないものね。
笑う理由は全然違うけれど。」
そう言えばサボってチェシャ猫のようにニヤニヤ笑っていますわね。
大抵私を困らせて笑っているのですけれど。
「待って。サボって頭が悪いからイカレ帽子屋の方があってない?」
「てめえ、シーナ!イカレてるってどういうことだよ!」
「じゃあやっぱりチェシャ猫だ。」
するとサボがイオを見てこう言います。
「でもイオはさ、やっぱアレだよな。ハートの女王。」
「私、あんなに傲慢じゃないわ。」
「でもわかります。イオ、タルトを作るの上手ですし。」
「なんか逆らえない雰囲気あるよね、イオって。」
イオはなんだか腑に落ちない顔をしていましたが、その内にっこりと笑って言いました。
「ならばみんなの首を飛ばしてあげる。」
四人は一斉に笑いました。
ルイス・キャロルの名作で、高校生がアリスごっこ。
なんだか可笑しくてたまりません。
「その場合、サボは生き残りますわね。
だってチェシャ猫はすでに首がありませんもの。」
そうしてまた四人で笑うのでした。
「何読んでるの?“不思議の国のアリス”か・・・。
マコってさ、主人公のアリスに似てるよね。ちっちゃくて可愛くて。」
私が顔を真っ赤にしていると、サボが付け加えてこう言いました。
「ぴったりじゃん!シーナという名の時計うさぎを追いかける、完全無知なアリス。」
私はその言葉に苛立ちました。
正直、サボに完全無知とは言われたくありません。
だって確実にサボの方が頭は悪いですもの。
「私がアリスでシーナが時計うさぎならば、サボはチェシャ猫ですわね。
いつもアリスにいらないことばかりを助言し、惑わせる。」
するとイオがクスクスと笑いました。
「本当、ぴったり。それにサボほど“grin like a Cheshir cat”って言葉が似合う人っていないものね。
笑う理由は全然違うけれど。」
そう言えばサボってチェシャ猫のようにニヤニヤ笑っていますわね。
大抵私を困らせて笑っているのですけれど。
「待って。サボって頭が悪いからイカレ帽子屋の方があってない?」
「てめえ、シーナ!イカレてるってどういうことだよ!」
「じゃあやっぱりチェシャ猫だ。」
するとサボがイオを見てこう言います。
「でもイオはさ、やっぱアレだよな。ハートの女王。」
「私、あんなに傲慢じゃないわ。」
「でもわかります。イオ、タルトを作るの上手ですし。」
「なんか逆らえない雰囲気あるよね、イオって。」
イオはなんだか腑に落ちない顔をしていましたが、その内にっこりと笑って言いました。
「ならばみんなの首を飛ばしてあげる。」
四人は一斉に笑いました。
ルイス・キャロルの名作で、高校生がアリスごっこ。
なんだか可笑しくてたまりません。
「その場合、サボは生き残りますわね。
だってチェシャ猫はすでに首がありませんもの。」
そうしてまた四人で笑うのでした。