猫とうさぎとアリスと女王
 私は“懸高”という名を聞きただごとでは無いと悟りました。

私は急いで外出の用意をします。
今は緊急事態ですから、とにかく外に出ても恥ずかしくない格好程度でいいと判断しました。

私が着用しているのは部屋着の水玉ティアードブルマとリボン通しキャミソール。
その上からジャボを取り外した丸襟のカーディガンを着ていました。

ブルマの上からスカートを履き、カーディガンのジャボを取り付ければ・・・。

うん、なんとか行けそうです!



ジャボを探す前に私は運転手さんに連絡をし、すぐに来てもらうように頼みました。

しかし、肝心のジャボが見当たらないのです!
嘘!?嘘!?嘘っ!?



BABYの丸襟カーディガンは、胸元にあるレースたっぷりのジャボが取り外せるようになっています。
日常生活でこのカーディガンを愛用していた私は、汚れるのが嫌でジャボを取り外していました。

出かける際にジャボを取り付けるだけで、かなり上品に、そしてゴージャスになるというのに・・・。

肝心のそのジャボが無いのです!!!




ジャボは確か一番大きなチェストの一番上に入れた筈だというのに、無い!

こんな一刻をも争う時に限ってジャボが見つからないだなんて・・・。


私は仕方なくジャボを探すのを諦め、シャンタンスカートを急いで履き、BABY,THE STARS SHINE BRIGHTのロゴが入ったボーダーソックスを片手に玄関へと向かいました。


「お嬢様、どちらまで?」

「イオの家まで!急いでください!」


ある程度は広い車内でソックスを履き、靴をきちんと履きました。



車内でソックスを履くなどということは、最低最悪に下品な好意だとわかっています。
ジャボを諦めるのもロリヰタらしくないとわかっています。


けれどソックスを履く環境よりも、ジャボよりも、私はイオが大事なのです。



早く行かなければ・・・。

イオ、今頃どうしているのかしら?


私は心配で心配でたまりませんでした。

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