猫とうさぎとアリスと女王
 イオの家は大変大きな日本家屋で、まるで時代劇に出てくるような家です。
私は急いで車を降り、玄関の扉を開きました。


「今晩は。」


私が控えめな挨拶をすると、奥からイオのお母様がやって来ました。

イオのお母様は物凄く綺麗な方です。
今日着ているお召し物もとっても良く似合ってらっしゃいます。


「あら、マコちゃん。どうしたの?」

「お夕飯時だというのに申し訳ありません。あの、イオはいらっしゃいますか?」

「ええ。呼びましょうか?」

「そうして頂けると有難いです。
実は今日、イオが私の家にお泊りに来ると言っていたので待っていたのです。
けれどイオはちっとも来ませんし、連絡もつかないので心配になって・・・。」


おば様には悪いですけれど、ここは嘘をつくしかありません。


「まあ、あの子ったら・・・。
マコちゃんがせっかく約束してくれたのにごめんなさいね。今、呼んでくるから。」




そう言っておば様は奥へと行ってしまいました。






私はイオのことが気になって仕方がありませんでした。
大丈夫かしら・・・。何事もなければいいけれど・・・。
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