猫とうさぎとアリスと女王
それからシーナはイオを描くことに専念し出しました。
部活動が無い日はイオはモデルになり、シーナはひたすらデッサンを続けます。
まず最初はラフスケッチの練習だそうです。
スケッチブックにひたすらにイオを描き続け、色々な角度から顔や体を描きます。
私とサボはその間物凄く暇なので、美術室の隣にある美術研究室でのんびりとしていました。
同じ部屋にいたら集中力を削いでしまう恐れがあったからです。
私はドアの隙間から二人の様子を見ました。
それを見る度に、私はため息をつきます。
「お似合いですね、あの二人。」
私がそう呟けば、サボは欠伸をしながら答えました。
「そら美男美女だから当たり前だろ。」
モデルを気だるそうにやるイオは大変色っぽく、それを真剣な眼差しで見つめ筆を動かすシーナはとても絵になります。
これで一作品描いた方がよろしいのでは?
私ではイオの代わりになれません。
この瞬間の二人を見ているとき、私は一等悲しくなります。
「私もイオの半分くらい綺麗だったら・・・。」
「綺麗だったら?」
「・・・シーナも振り向いてくれたかもしれませんね。」
サボは煙草を取り出してそれを口に銜えました。
けれど火をつけることはありません。
前に一度、私が煙草を嫌いな旨を告げてから、サボは私の前では煙草を吸うことは無くなりました。
「くだらねえこと言ってんじゃねえよ。
いいじゃねえか。なんだかんだ言ってシーナに好かれてんだから。」
「それは友達としてでしょう?私は異性として見て欲しいのです。」
「友達に“一緒に寝よう”なんて言うかよ。」
サボが言っているのは、初めてシーナが私の家に来たときのことでしょう。
「言わないかもしれませんけれど、あれは私をからかっただけだと思いますし・・・。」
「からかうだけなら言うだけですむだろ。
あいつは実際お前と同じベッドで眠ったんだろ?その上、律儀に何もしなかった。
きちんと意識はしてんじゃねえのか?あいつの中でさ。」
サボって時折凄く的を得ているようなことを言います。
信じていいのかしら?
部活動が無い日はイオはモデルになり、シーナはひたすらデッサンを続けます。
まず最初はラフスケッチの練習だそうです。
スケッチブックにひたすらにイオを描き続け、色々な角度から顔や体を描きます。
私とサボはその間物凄く暇なので、美術室の隣にある美術研究室でのんびりとしていました。
同じ部屋にいたら集中力を削いでしまう恐れがあったからです。
私はドアの隙間から二人の様子を見ました。
それを見る度に、私はため息をつきます。
「お似合いですね、あの二人。」
私がそう呟けば、サボは欠伸をしながら答えました。
「そら美男美女だから当たり前だろ。」
モデルを気だるそうにやるイオは大変色っぽく、それを真剣な眼差しで見つめ筆を動かすシーナはとても絵になります。
これで一作品描いた方がよろしいのでは?
私ではイオの代わりになれません。
この瞬間の二人を見ているとき、私は一等悲しくなります。
「私もイオの半分くらい綺麗だったら・・・。」
「綺麗だったら?」
「・・・シーナも振り向いてくれたかもしれませんね。」
サボは煙草を取り出してそれを口に銜えました。
けれど火をつけることはありません。
前に一度、私が煙草を嫌いな旨を告げてから、サボは私の前では煙草を吸うことは無くなりました。
「くだらねえこと言ってんじゃねえよ。
いいじゃねえか。なんだかんだ言ってシーナに好かれてんだから。」
「それは友達としてでしょう?私は異性として見て欲しいのです。」
「友達に“一緒に寝よう”なんて言うかよ。」
サボが言っているのは、初めてシーナが私の家に来たときのことでしょう。
「言わないかもしれませんけれど、あれは私をからかっただけだと思いますし・・・。」
「からかうだけなら言うだけですむだろ。
あいつは実際お前と同じベッドで眠ったんだろ?その上、律儀に何もしなかった。
きちんと意識はしてんじゃねえのか?あいつの中でさ。」
サボって時折凄く的を得ているようなことを言います。
信じていいのかしら?