猫とうさぎとアリスと女王
ⅩⅣ ネムリネズミとの再会
 家に帰って部屋着に着替え、私はのんびりと音楽鑑賞をしていました。

私が聞くのはほとんどがクラシック音楽ばかり。
正統派からマニアックなものまで、好き嫌い無く聞いています。

するとその中で間抜けな電子音がいたしました。その正体は紛れも無く最近購入したばかりの携帯電話。
イオが設定してくれたシェヘラザードの着信音が鳴り響きます。

私は携帯電話の通話ボタンを押します。


「もしもし?」

「マコ?シーナだけど。」


その瞬間、私の心臓は跳ね上がりました。

何故シーナが電話を!?緊張と興奮で声が上ずってしまいます。


「シーナ!?どうなされたのですか?」


するとシーナは電話の向こうでクスクスと笑っています。


「そんなに驚かないでよ。今度出かけようって言ったのに、何も予定を決めてなかったからさ。
マコ、行きたいとことかある?」

「えっと・・・御免なさい。急に言われたものですからすぐに浮かばなくて。」


私は無い知恵を絞りながらも、一生懸命シーナが行きたそうな場所を考えました。

美術館などいかがかしら?
ああ、でもシーナはどんな絵が好きかわかりません。


「私はお買い物ができればそれでいいです。シーナがよろしければ、ですけれども。」

「お店ってこの前着てたようなお洋服を売ってる店?」


シーナが言っているのはBABY,THE STARS SHINE BRIGHTのようなロリヰタ服だとすぐにわかりました。


「ええ、そうですけれど・・・。」

「ならよかった。僕、マコがどんなお店であんな可愛い服を買うのか見たかったんだ。」


なんだかその言葉が嬉しくて、私は照れてしまいました。

シーナは私では無くお洋服を可愛いと言ったのに、自分が可愛いと言われたような錯覚に陥ります。


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