猫とうさぎとアリスと女王
 そしてシーナは付け加えるようにこう言いました。

「それでもしよければなんだけど、映画なんか見に行かない?マコって映画とか苦手?」

「いいえ。アクション映画やホラー以外なら好きです。」


私は映画はよく見るほうなのです。
ギャスパー・ウリエル様もそのお陰で知り合えましたし、何せ映画は夢を見せてくれるのですもの。

私は中でもフランス映画が大のお気に入り。
あの単調な雰囲気が何とも言えず好きなのです。

勿論ジャン=ピエール・ジュネ様のような例外もありますけれどもね。


「じゃあ決まり。普通のミニシアター系のラブストーリーだから、いいよね?
映画が十時二十分に始まるから、九時ぐらいに迎えに行けばいい?」

「迎えだなんていりませんわ。私が待ち合わせ場所まで行きます。」

するとシーナは少し間をおいて言います。

「もしマコが嫌じゃなかったらさ、電車で行きたいんだけどいいかな?
僕、電車でのんびり行くのが好きなんだ。」


私は申し訳無さそうに言うシーナが可笑しく思えました。

電車でのんびり行きたいだなんて凄くシーナらしいです。


「ええ、私は平気です。たまに電車は利用するので。」

「じゃあ九時ぐらいにマコの家に行くから、一緒に駅まで行こうね。」


シーナはそう言って電話を切りました。

どうしましょう!今週末はシーナとデートです!
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