こころの展覧会
「おいしいだろ?」
「まずくはない」
「椿姫は何が好きなんだ?」
「……かぼちゃ」
「へぇ~。じゃぁ、明日入れて貰うからさ、また一緒に食べよーなっ」
屈託なく笑い、強引なまでの押しに、椿姫は少しずつ負けていった。
ある日の昼休み。
二人でいつものようにお弁当をわけ合った後、葵はたずねた。
「椿姫は何で美術部に入るのが嫌なんだ?」
「私が嫌なんじゃなくて、そっち側が拒否するんだろ?」
ため息混じりにそう答えた。
椿姫は学校でも浮いていた。従姉妹たちから始まったいじめは、あっという間にクラス中に広まっていて、ただでさえ目立つ椿姫の容貌は、学校中に悪評が流れるのに時間はかからなかった。
椿姫は見に纏っている空気さえ、違和感のある生徒だった。
「まずくはない」
「椿姫は何が好きなんだ?」
「……かぼちゃ」
「へぇ~。じゃぁ、明日入れて貰うからさ、また一緒に食べよーなっ」
屈託なく笑い、強引なまでの押しに、椿姫は少しずつ負けていった。
ある日の昼休み。
二人でいつものようにお弁当をわけ合った後、葵はたずねた。
「椿姫は何で美術部に入るのが嫌なんだ?」
「私が嫌なんじゃなくて、そっち側が拒否するんだろ?」
ため息混じりにそう答えた。
椿姫は学校でも浮いていた。従姉妹たちから始まったいじめは、あっという間にクラス中に広まっていて、ただでさえ目立つ椿姫の容貌は、学校中に悪評が流れるのに時間はかからなかった。
椿姫は見に纏っている空気さえ、違和感のある生徒だった。