こころの展覧会

全身麻酔をしているのに、痛みはなくならない。


―痛い……
―いたい……
―イタイ……


目がかすむ…

頭の中がぼーっとする…

自分の声さえ…遠い…


追加の痛み止めの座薬が入れられた。


なのに、ひどい痛みは変わらない。


―イタイ……
―イタイ……
―イタイヨ……
―カナシイ……



椿姫のお腹から、止まってしまった命が取り出された。



それから2日も経たない内に、その止まってしまった命が入ったプラスチック容器を抱え、市役所に死胎火葬許可証を提出し、火葬場へ。


何も残らなかった。


手元に残されたのは、ほとんど白紙に近い、母子健康手帳とひどい悲しみ。
 

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