こころの展覧会
明け方の夢は、冷たくて、悲しくて、苦しくて、弱さが招いた自分の罪を責め立てる。
雨の日はひどく暗鬱として、水の音が心の出口を塞ぐんだ。
「その時の私は、精神的におかしかった。あの日も雨が降ってた。包丁を隠し持って、葵の家に行った。でも、二人だけでは会わせてもらえなかった。隙をついて葵に襲いかかったけど、それは、いとも簡単に止められた。止められたけれど、私は必死で暴れた。そして私は叫んだ」
椿姫は一旦止めて、藍を見据えた。
「“あんたのせいであの子が死んだんだ”“あんたが死ねばよかったのに”“人殺し”って何度も、何度も。葵はその後人形のような状態になって、数日後に自分の利き手を刺したそうだ。そして、どんな医者に診せても、人形化は治らなかった。今も治っていないらしい」
そこまで語った椿姫は目を伏せた。