こころの展覧会

椿姫は頬に触れられた手に、腕に、縋るようにつかまった。

「…罪悪感が…私を責める…」

「だったら謝りましょう。謝って、償いましょう。そうすれば、幸せを受け取ることができますよ」

「…許しを乞うつもりはないんだ…」

ぼそり、ぼそりと椿姫は話し始めた。

「罰は受けなきゃいけない。そうすれば、救われる気がした。罪悪感に押しつぶされそうだから…誰も私に罰を与えてくれないから…自分で自分を傷つけることでしか自分を保てなかった……死んだ方が楽になれると思った。本当に苦しくて……でも、死ぬよりも苦しめてほしかった……」

藍はそっと、椿姫を腕に抱きしめた。首の後ろに手を添えて。そして、ゆっくり、甘く優しい口調で「大丈夫ですよ」と何回も繰り返した。
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